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名ストーブ列伝 24 最終回 ブッシュボックスLF (ドイツ)

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名ストーブ列伝はこれで最終回とします。このブッシュボックスLFを最後にした理由は、紹介するストーブの中で最も新しいというだけではなく、一つの完成形だと考えているからです。発売は2017年2月20日です。当時は別の焚き火ブログ(かなり前に閉鎖)を開設していて、なぜかドイツのメーカーから直接コンタクトがあって発売前に教えてもらいました。先に発売されたのは大きなXLモデルで、3年以上待たされて小型版の登場となりました。 かなり考えられた構造で、蝶番の折り畳み式ながら二重底になっています。スリットを差し込むタイプのストーブは畳むときにどうしても燃焼室を持たなくてなならないため手が汚れてしまいますが、これは畳むときに外側しか触れずに済むので、手が汚れにくいというメリットがあります。さらには焚き火での歪みが少なくて、かなり使い込んでも容易に畳むことができました。厚手のステンレス製でずっしり感がありかなりの重量です。チタン製も販売されていますが、軽量化したいなら別のストーブを選んだ方が、という感じがします。 ちなみにマジックフレームは焚き火での歪みが大きく、畳むのが困難かもというくらい歪みます。酷く歪んだときは木槌で叩いて修正しています。 改善して欲しい点が一つあって、それは五徳が低いこと。底が広いクッカーを乗せると上面を塞いだようになってしまいます。そんなときはクッカーを少しずらして排気口を確保しています。五徳が片方向だけ長いのはそのような使用のためなのかも。 細かいことですが、初期発売のものは前面の文字が抜き加工になっていたのに刻印に変わってしまいました。表面処理も違う感じになり、コストダウンなのか製造工場が変わったのか・・・ちょっと残念。 小さめのサイズ感がちょうどよくて、頑丈で耐久性が高く、磁石がくっつかないステンレス製なので錆びにくいことから屋外に置きっ放しになっています。庭焚き火では使用頻度が一番高いメインストーブとなっています。 ブッシュボックスXLはLFの大きい版で同じ構造です。こちらの方が発売が早く、LFより3年以上前になります。当然なことながらこちらも優秀なストーブでお薦めです。

迷ストーブ列伝 23 プロコル・プッシュ(ドイツ)

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このストーブは「迷ストーブ」にしました。これでいいの?と一番驚いたストーブがプロコル・プッシュをす。一枚のステンレス板を折って曲げて立体にするだけという前代未聞の構造です。見た目がスッキリとしていると思ったら、蝶番もスリットも爪も何にも無いんですから当たり前です。 軽量化のためなのか、コストダウンで安価にするためなのか。ちなみに価格は2016年に4,000円くらい(個人輸入の費用含まず、1ドル=約110円)でした。この価格なら妥当な気がしますが、円安の時代なら・・・。 それでもドイツのメーカーらしく安物の粗悪品とは異なり、ステンレス(磁石がつかないタイプ)の板厚が0.5mmもあります。組み立ての最後に「PUSH」と文字が抜き加工された火床を折り曲げて完成というセンスの良さ。一応は組み立てたり畳んだりして携帯することが可能ですが、何度も組み繰り返すのは無理がありそうです。駄菓子屋のオモチャ的ストーブという感じがして好きですね。 ドイツのプロコルというメーカーはしっかりしたストーブを作っているちゃんとしたメーカーです。厚手のステンレス板で丁寧に仕上げられたストーブを作っています。爪のスリットで組むタイプの一般的な構造で、サイズはマジックフレームと同じくらい。特徴は異なったデザインのパネルを組み合わせることで、いくつかのモデルが存在することです。 変わったところでは、プロコル・ヴェントゥスは左右の窓がとても大きく作られています。そのため、長い薪を真ん中から燃やすことができます。真ん中が燃え尽きると薪が2本になるので効率がいいんですよ。薪を半分に切るのは面倒ですから、マジックフレーム(五徳の切れ込みが深い)で長くて細い薪を燃やすときにそういう使い方をしていました。ヴェントゥスは左右の窓が大きいのでより太い薪が入ります。側面の4面すべてこの切れ込みパネルのモデルもあったような・・・いまではメーカーサイトが無いので確認できませんが。

名ストーブ列伝 22 スルク46・lCTストーブ(カナダ)

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スルク46はウルトラライトのグッズを販売しているカナダのメーカーです。チタン製のLCTストーブは3枚のV字に曲げられたパネルと底板をスリットで組み合わせる構造です。CTストーブの大きいバージョンで、焚き火の道具としてはこちらの方が実用的なサイズなのでメインで紹介しています。美しいデザインでオブジェのような、インテリア小物として飾っておきたいストーブです。ただ、焚き火では全面がスカスカなので風に弱いのが欠点。当方所有のものは焚き火で歪んでしまってちょっと悲しい。 極小サイズのチタン製CTストーブです。小さすぎるので焚き火をするという視点ではどうかなぁ、という感じがします。スカスカなので風にも弱く、保温効果も低いのでちょっと無理がある気がします。こちらは所有していないので、見た目の感想なんですが。 極小で超軽量の「Napsiktok Stove」があります。恐らくは世界一軽量のウッドストーブで22gしかありません。薪を挟んで使用するそうで、ウッドストーブということになっています。アルコールストーブのスタンドでも使用できます、というかこちらがメインのような気もします。 他にもブッシュバディのチタン版のTWDストーブやエンバーリット風のストーブなどがありますが、オリジナリティという点ではどうかな、と思っています。

名ストーブ列伝 21 ピコグリル85(スイス)

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ピコグリルの焚き火台が流行ったようですが、こちらは一番小型のストーブタイプになります。何だか未来っぽいデザインですね。薄い(0.3mm?)ステンレス板を開いて、五徳代わりのステンレス棒セットするだけで立体的なストーブに変身するという発想がいいですね。ただし畳んだときの面積が大きいので収納はしずらいのでは。欠点は焚き火で使用すると板に癖がついてしまい、平らにならないことです。板厚が薄いので、とくに火床の耐久性がちょっと心配です。

名ストーブ列伝 20 トークス・ウッドストーブ(アメリカ)

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トークス・チタニウム・ウッドストーブです。メーカーはアメリカ・カリフォルニアということになっていますが中国製です。 3個のチタンカップを組み合わせるだけで二次燃焼ストーブになるというのは衝撃的でした。2014年か2015年の発売で、日本上陸までガマンできずに販売されてすぐにアメリカ・アマゾンから購入してしまいました。高額なストーブになってしまいましたが、そのお陰で通常のマット仕上げではなく、ミラー仕上げでもない、ナチュラルな感じのレア品を入手できました。他メーカーも含めてチタンカップ類はマット仕上げばかりですが、個人的にはこのナチュラル仕上げが好きですね。 使用してみると、ちょっと背が高すぎるのが気になります。短い薪や熾火になったときはストーブの下で燃えているだけとなり、五徳に乗せたポットにあまり熱が届かない感じです。五徳部分のカップの高さを半分くらいにすればいいのにと思います。 後にスモールサイズも発売になりました。発売されたのは2015年です。こちらは発売当初からトークスお馴染みのマット仕上げになっていました。 トークスといえばチタンカップとポット類の方がメジャーですね。ちょっとひねったとことがあって好きなんですよね。同サイズ同士で蓋が共有できたり、ハンドル無しやベイルハンドルなど、他には無い製品があっていくつも買ってしまいました。愛用は95mm径で容量600mlのロングハンドル仕様のポットです。ひとりだけの極小焚き火ではロングハンドルが使いやすいんですよね。 トークスの製品はすべて中国製かと思います。他の中国製品と比べるとクオリティーは高いと思います。例えば、ポットのメモリはかなり正確です。安価な中国製は誤差というレベルじゃないくらい不正確でした。

名ストーブ列伝 19 ワイルドストーブ(イギリス)

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英国製のワイルドストーブです。コピー商品が多いストーブの一つですね。その割に知名度は高くないように思えます。ステンレス製で3つのパーツを組み合わせ、五徳を乗せると二次燃焼ストーブになります。新型となりましたが、旧型との違いは五徳の形状だけです。旧型の五徳は別売府品として購入可能できます。ブッシュバディよりかなり大型になっています。 変わったところでは、シリアルナンバーが付いていることですね。海外製は良くも悪くも雑な作りが多いなか、製品のクオリティーがかなり高い。シリアルナンバーは製品への自信の表れでしょう。個人的にはワイルドという商品名には違和感あり、スマートでお洒落な感じのストーブです。

名ストーブ列伝 18 ファイヤーボックス・ナノ(アメリカ)

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ファイヤーボックス・ナノはかわいくてオモチャみたいですが、しっかり焚き火として使えます。個人的に気に入っているのは、2方向に窓があって薪を入れられることですね。これが使いやすい。太い薪は無理でも長い薪が使えるので、極小のウッドストーブでも長時間の焚き火ができます。ただ、火床の穴がかなり大きいので盛大に燃えカスが地面に落ちるのが最大の欠点ですね。火床の穴はもっと小さくして欲しいです。 マイナーチェンジしてアルコールストーブでも使いやすくなりましたが、風の影響を受けすぎて使い勝手は悪いです。アルコールストーブ全般に言えることですが、しっかりした風防が必須になります。ファイヤーボックス・ナノは高さがあるので、風防も背を高くしないといけません。アルコールストーブはやはり専用のスタンドや五徳を使用した方がいいですよ。 このストーブはステンレス製とチタン製がありますが、おすすめはチタンの方です。ウッドストーブでステンレスとチタンがある場合はチタン板の方が薄い場合がほとんどですが、ステンレスとチタンと同じ板厚になっています。かなり厚手のチタン板で、ここまで厚い板のチタン製ストーブは見たことがありません。それにステンレスは磁石がくっつくタイプなのでサビが気になります。 ファイヤーボックス・ストーブと言えば本来はこちらではないでしょうか。最初に販売されたのがこの大きい方のモデルです。マジックフレームより一回り大きく、ブッシュボックス・ストーブXLと同じくらいの大きさです。大きいので所有しておらず店舗で見ただけですが、畳み方など工夫されていると思いました。もう一回り小さければ買っていましたね。

名ストーブ列伝 17 ファイヤーフライ(アメリカ)

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ファイヤフライはULストーブとして有名ですね。丸い窓と丸いシャッターがかわいい。五徳の形状が独特でかなり個性的なデザインになっています。販売時より若干モデルチェンジしていて、真ん中に折り目が加工がされています。強度アップのためですかね。分解すると平らにならずに足部分が出っ張ってしまうのがちょっと残念な気がします。 サイズの大きいXLもあります。かなり大きくなってマジックフレームくらいの容量になり、五徳部分の高さはそれ以上です。こちらは五徳の柱が異様なほど長くて、かなり不思議なデザインになっています。カブトムシの角ような生物的な感じして好きですね。

名ストーブ列伝 16 エレメントストーブ(アメリカ)

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タトーギア・エレメントストーブはチタン製で蝶番で組み立てるストーブです。「tato」の発音は「ティトゥ」かもしれません。これは徐々に改良された4代目だったと記憶していますが、後に側面に2本のスリットが入って五徳バーを指すことができる、アルコールストーブ対応になりました。容量は小さめで個人的にはベストサイズ。側面にある開閉できる小窓がなんともかわいい。デザインも良くて最もお気に入りのストーブのひとつです。 畳んだ時にピッタリ重ならずにズレるところも、日本人ならありえない感じがいいんですよ。いずれは写真で紹介したいと思っています。 ミニE・ウッドストーブとう枠だけのストーブもあります。蝶番の構造で、広げたら2本の板の五徳を差し込んで完成。上から見ると正方形でありません。さらには小さい窓も付いています。アルコールストーブのスタンドとしても使えるのですが、やはり風防は必要です。

名ストーブ列伝 15 エンバーリット・ミニ(アメリカ)

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エンバーリット・ミニはチタン製の板を組み合わせたウッドストーブです。エンバーリットの初期モデルでパネルに凹凸がありません。初期オリジナルのプレス加工の凹凸が無いモデルも欲しかったのですが、日本にはなかなか入ってこなくて入手できませんでした。日本で販売されたときはプレス加工ありになっていましたから、エンバーリットではこのミニが一番のお気に入りになっています。オリジナルとファイヤーアントの中間くらいのサイズも気に入っています。 エンバーリットといえばオリジナルと呼ばれるモデルですね。画期的な構造のストーブで、最もコピー商品が多いストーブではないでしょうか。スリットで組み立てるストーブは通常は側面パネルの爪が左右同じ向きになっていてスライドさせて組み立てます。そのため、上から差し込んだパネルを持ち上げると簡単に外れてしまいます。ところが、エンバーリットは左右の爪の向きを逆さにしてあり、最後の一枚をひねって組み立てます。こうするとシッカリ組めて、どの面で持ってもバラバラにはなりません。単純なことですけど画期的な発想です。 より小さいファイヤーアントが販売され、エンバーリット・ミニが廃盤となってしまいました。ファイヤーアントは発売当初はチタン製しかないこともミニの後継モデルとうい扱いだったことがわかります。ステンレス製が販売されたのはしばらく経ってからでした。

名ストーブ列伝14 ホリデーロード・コンパクトストーブVHS(日本)

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ホリデーロードのコンパクトストーブVHSです。古くからあるウッドストーブとして外せませんね。「VHS」のビデオテープサイズに収納できるように作ったことでこの商品名になったのでしょうが、何ともノスタルジックな気持ちにさせられます。日本の真面目な町工場の雰囲気がいいですね。じつはサイズがちょっと大きいで購入には至りませんでした。 今はマーク2となってマイナーチェンジしています。VHSよりもう一回り小さいベータマックスサイズ、より小さいカセットテープサイズがあれば欲しいところです。

名ストーブ列伝 13 笑's・BPウッドストーブ120(日本)

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笑's・BPウッドストーブ120を紹介します。三角形の珍しいストーブです。組み立てると爪が隠れるというもの斬新です。エンバーリットと同じように左右の爪の向きが異なり、捻って組み立てます。このねじる組み立てはエンバーリットとどちらが先かは不明です。ただ、爪が隠れる構造のため、分解したときに平らにはなりません。 火床の下に板をはめる二重底は今では普通ですが、この当時は画期的なものでした。長い脚は地面へ熱の影響を最小限にするため。欠点は二重底と足長のため、サイズの割に燃焼室の容量が小さいことです。 じつはもっと前に地面へのインパクトを考えて作られたストーブがあるんです。そればブッシュバディです。ブッシュバディは二次燃焼だけに注目されていますが、底の構造にもこだわりがあるんですよ。これもサイズの割に燃焼室が小さいですね。 2012年にモデルチェンジして、今は残念なことに廃盤になってしまいました。個人的には初期型の方が深さが丁度よく、燃焼もこちらの方がいい気がして好きですね。初期型のチタンバージョンが欲しいくらいです。 BPウッドストーブ93Tiは極小サイズのチタン製でBP120の進化系と言えますね。笑'sさんでは珍しく二重底にはなっていません。サイズ的に難しかったのでしょうね。競合はエンバーリット・ファイヤーアント、ファイヤーフライなどのUL系ミニストーブになります。

名ストーブ列伝 12 180VLストーブ (アメリカ)

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180タックの180VLストーブです。シンプルなV字構造で火床はありません。このストーブを見ていると、煮炊きするためのウッドストーブってこんなのでいいんじゃないの?と言われているような気がしてきます。 こちらは新型の180フレームです。新型といっても2014年か15年の発売です。四角い形状に変更されました。収納サイズはこちらの方が断然小さいです。どちらのストーブも煮炊き用で焚き火用ではありませんが、押さえておきたいストーブであることは確かです。

名ストーブ列伝 11 バーゴ・ヘキサゴンストーブ(アメリカ)

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今でも人気があるアメリカのバーゴ・ヘキサゴンウッドストーブです。日本での販売は2011年でチタン製しかありませんでした。当時はチタン製のウッドストーブは珍しく、国内では最も円安だった年で1ドル80円くらいのときに7000円でした。アルコールストーブのスタンドで使う方が多いようですが、優秀なウッドストーブですから焚き火で使っていただきたいですね。

名ストーブ列伝 10 ハニーストーブ(イギリス)

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イギリス製のハニーストーブです。ステンレス板を爪のスリットで組むタイプです。六角形のストーブですが、側面の4枚を使うと小さいウッドストーブに変身するという発想が面白い。そのための正方形の火床も付属しています。付属のパーツを使ってアルコールストーブが使えたりといろいろと工夫されたストーブです。チタン製が販売されたのは比較的最近になってからです。 小さいポケットストーブも作っています。この形状はコピー商品が多く、メーカーサイトでは注意書きが記載されていました。焚き火としては極小サイズですが、トランギアのアルコールストーブがピッタリはまるように作られています。仕上げが丁寧で製品のクオリティーの高いメーカーです。

名ストーブ列伝 9 ノマド・リトルダンディストーブ(アメリカ)

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これはチタン製の快速旅団・柴ストーブまめたんです。サイトには「Firewood Ti Nomad Stove」という記述があったかと思います。ニンブルウィル・ノマド(Nimblewill Nomad)と呼ばれている人のリトルダンディ・ストーブです。パネルを組み合わせるストーブの原点と言えるストーブを原型にした製品です。リスペクトしているものはコピーやパクリ商品とは違うと考えています。同系列のストーブは多数ありますが、快速旅団のストーブが原型に近い形状です。 購入したのは2011年で、その後に商品名が変わっているかもしれません。このころはチタン製のウッドストーブはかなりレアでした。ただ、薄いチタン板が使われていて、構造的にもあまり強度がないのでヘロヘロです。重めのクッカーを乗せると斜め傾いてしまいます。 ドイツの「ペトロマックス・ホーボストーブBK1」も有名です。肉厚のステンレス板でできていてかなり頑丈に作られたストーブです。前面パネルの上下に爪を引っかける1枚板構造で強度アップされ、重いクッカーも乗るので使い勝手がいい完成度の高いストーブになっています。 同系列のストーブは他にも多数あります。日本では他に「プチかまど」が古くからあり有名ですよね。サイトでパネルの図面が公開されているので自作している人もいます。独自に工夫されている製品もあったりと、世界中で愛されているのたわかります。 変わり種としてL&S ICEストーブも紹介しておきます。前面パネルがマルチツールになっているという、アイディア商品のようなウッドストーブです。前パネルはマルチツールとして使用できるように分厚いステンレス板で、穴が抜かれたり、ギザギザがノコギリになったりします。 リトルダンディストーブについてはこちら 自作できるような型紙も公開されています。 https://nimblewillnomad.com/little-dandy-stove/

名ストーブ列伝 8 ファイヤースポウト・ミニ(イギリス)

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イギリス製のファイヤースポウト・ミニです。厚手のステンレス製で蝶番で折りたたむのですが、火床は無いシンプルな作りです。空気穴は上下にあるスリットのみ、という珍しいストーブです。老舗のウッドストーブのメーカーのようですが、これは比較的新しいモデル。日本での販売はありませんでした。 メーカーサイトに動画があり、恐らく開発者と思われるおじいちゃんが正座して、丸太にストーブを乗せて焚き火をしているのが愛らしくて。残念なことにサイトは閉鎖されてしまいました。

名ストーブ列伝 7 ゼルフ・ウッドガズストーブ(アメリカ)

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ゼルフ・ウッドガズストーブは手作り感満載のストーブです。ゼルフというメーカーはアルコールストーブが有名なのではないでしょうか。まだチタンが普及する前の時代のウルトラライトストーブという感じです。軽量化を目指して作られたストーブで、ステンレスのワイヤーメッシュを組み合わせた構造です。蝶番はステンレス板を丸くしただけ、組み立ての最後は金属の洗濯バサミで止めるという発想が素晴らしい。 焚き火はどうかというと、側面下部だけステンレス板張りで、ワイヤーメッシュがスカスカなため円筒効果は期待できず、風に弱いのが欠点です。

名ストーブ列伝 6 ユニフレーム・ネイチャーストーブ(日本)

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日本のユニフレーム・ネイチャーストーブです。発売は古く1997年です。名ウッドストーブは2000年前後に発売されたものが多いので、かなりの古株ということになります。組み立てはちょっと面倒で、こういつところは日本製という感じがします。ハンドル付きというのはストーブ界では唯一ではないでしょうか。X字型の五徳に補助ワイヤーを付ける(初期型には無かった)ので、薪の追加投入はかなりやりにくいですね。板厚が薄いので耐久性が気になります。

名ストーブ列伝 5 リトルバグストーブ(アメリカ)

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リトルバグストーブは大小の2種類あり、図の画像は小さいジュニアになります。組み立て方が独特で半円形の部品を4枚組むだけです。火床はありません。寝袋などの円筒形の物に添わせるように収納すると良いでしょう。古き良き時代のストーブという感じがしますが、現在ではデザインが今風になって販売されています。

名ストーブ列伝 4 トレイルストーブ(アメリカ)

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アメリカ製のトレイルストーブで、丸目のロケットのようなデザインは秀逸です。。これもかなり昔からあって古き良い時代の焚き火ストーブという趣です。ステンレス製で分解・折り畳みができないのでかなりの大きさですから、収納するのは大変かと思います。変わったところだと裏に息を吹き込むホースが付きます。縦長で煙突効果が非常に高く、燃焼効率が良いのが特徴です。

名ストーブ列伝 3 ブッシュクッカーLT2(アメリカ)

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アメリカ製のブッシュクッカーLT2です。主に小さい順にLT1・LT2・LT3があり、お薦めはLT2です。LT2は1~2人用で一番使いやすいサイズです。お湯を沸かすならカップラーメン1個分、二人分のコーヒーには最適です。燃焼室の容量はブッシュバディよりわずかに少ないくらい。他のストーブと比べて着火しやすく、側面の穴と燃焼室は分離されているので風に強いのが特徴です。チタン製で軽いのですが、分離したり畳んだりできないことが欠点です。そのままのサイズをどう収納するかですね。 LT1は本当に小さくて一人分のコーヒーなどには適していますが、カップラーメンだと沸かせますけど小さすぎるかな。一人分のインスタントコーヒーなどをさっと飲みたいときには超お薦めです。LT1はスノーピーク・トレック700に入る(少し蓋が浮く?)ので、お散歩コーヒーにもいいですよ。最新型は底板が付いたので、灰が落ちる心配はなくなりました。 LT3はあまりお薦めはできないなぁと思っています。容量はブッシュバディより少し大きいくらいでしょうか。一体型でこのサイズだと収納にも困るし、無駄に大きい感じがしますね。使い方は工夫次第ということなのでしょうか。

名ストーブ列伝 2 ブッシュバディ(カナダ)

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ブッシュバディを紹介します。これも超有名なストーブです。高機能故にコピーやパクリ商品が多いストーブであり、残念なことにブッシュバディがオリジナルと知らない人も多いようです。軽量のウルトラライトとレギュラーの2種類あります。カナダで製作されていましたが引退されて、今はアラスカで弟子が製作しています。 二次燃焼の美しさに注目されがちですが、底面が熱くなりにくいことも注目して欲しいですね。底の構造にもかなりのこだわりがあったようです。 初代は「Trek Stov」という名称でした。大型ですが、3つに分離するのでコンパクトに収納できます。ただ、肉厚のステンレス製でかなりの重量があります。 その後に改良されて「Bush Buddy」という商品名で発売されました。本体と五徳はステンレスですが、最下部は軽量化のためなのかアルミ製です。モデルチェンジするごとに小型・軽量化していきます。 そして現行品と同形状の一回り大きい製品となり、現在の形状に落ち着きます。こうして比較すると徐々に改良されて今の形に落ち着いたことがわかります。 製作者のフリッツ・ヘンデル氏のインタビューはこちら https://hikinginfinland.com/2009/11/interview-fritz-handel-from-bushbuddy.html

名ストーブ列伝 1 マジックフレーム(スイス)

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記念すべき最初の投稿は超有名なスイス製のストーブ「マジックフレーム」の紹介にしました。私の焚き火の原点と言えるストーブです。2008年に小さい焚き火をしたくて購入して以来、小さいウッドストーブを収集するきっかけとなりました。一斗缶で焚き火をしようかと考えたのですが、住宅地の煙問題があるので小さいウッドストーブを探して見つけました。焚き火をした感じでは、小さい一斗缶焚き火ですね。スイス製で1㎜厚のステンレスでできて滅茶苦茶頑丈。爪の形状が独特でいい具合に薪を噛んでくれます。ただ、この爪に乗せるクッカーは底面がそれなりに広い必要があり、後に「NG(New Generation)」が登場して細い針金を差し込むことで五徳となり、小さいクッカーも使えるようになりました。